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レドリルAdventure
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■第11話 凍てつきのハデス1
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■第08話 新たなる旅立ち2
■第07話 新たなる旅立ち1
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■第05話 大地が泣いている
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■第03話 旅立ちという名のレクイエム3
■第02話 旅立ちという名のレクイエム2
■第01話 旅立ちという名のレクイエム1
■第00話 旅立ちのプレリュード


頭の中の13号
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ヤマトであそぼう
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こだまアドベンチャー
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ミライザーバンあらすじ 終
■第51回 2000/01/22
ミライザーバンあらすじ 15
■第50回 2000/01/21
ミライザーバンあらすじ 10
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ミライザーバンあらすじ 4
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ビックリドッキリメール 12
■第44回 1999/12/24
ビックリドッキリメール 11
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ビックリドッキリメール 6
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続・目から鱗がとれちゃった話
■第25回 1999/06/05
かってに解読
■第34回 1999/10/16
ビックリドッキリメール 4月
■第20回 1999/04/18
GREAT PEOPLE 6
■第19回 1999/04/18
GREAT PEOPLE 5
■第17回 1999/03/21
目から鱗がとれちゃった話
■第13回 1999/02/21
GREAT PEOPLE 4
■第12回 1999/02/21
愛する“モノ”への鎮魂歌?
■第10回 1999/02/07
漢字の反乱III(完結編)
■第 9回 1999/01/30
Galaxy Detective 999
■第 8回 1999/01/30
漢字の反乱II
■第 7回 1999/01/25
漢字の反乱
■第 6回 1999/01/21
GREAT PEOPLE 3
■第 5回 1999/01/21
GREAT PEOPLE 2
■第 4回 1999/01/21
GREAT PEOPLE 1
■第 3回 ????/??/??
銀河てちゅどう999 3
■第 2回 ????/??/??
銀河てちゅどう999 2
■第 1回 ????/??/??
銀河てちゅどう999 1

前回あらすじ

 “箱”が“”と“”と“”に別れて語り合っていた。
 些細なことから,みんなムッとしたが,そこで終わってしまい
 救われることが無かった。今回はその続きである。

「漢字の氾濫III BLUE LOVE」

”が“”に,ぼそりとつぶやく。

“なあなあ,木。
  アイツさぁ,悪いやつじゃないんだけど,なんでもハッキリ言い過ぎるよな。”
“あぁ,そう思うよ。ちょっと強気なところも欠点だな。でもさ,……”

なにやら企んでいるかのような笑みをする“”。
”は,興味津々だ。

“ん,何何?”
“アイツの弱点,知ってる?”
弱点?”
“実はさ,ごにょごにょごにょ…”

耳元でささやく“”。

え!? うそ…。………それで,アイツ,"ケ"が嫌いなのか。へぇ。ほぅ。ふぅん。”

おもわず嬉しくなった“”は,ちらりと“”を見る。

「ん? 何,ごそごそやってんだ?そういうの,オレは嫌いだぞ」

こそこそしている“”と“”が不服なようだ。
”と“”はお互いを見てうなずくと,さっそく行動に移ったのである。

“じゃあ,オレはな。”
“よし,オレはだな。”

”と“”は“”のそれぞれの方をつかんだ。

「な,なんだ。何をするんだ」

焦る“”。まさか,と思ったのもつかの間,二人は……

「せーーーのっ!」

左右に引っ張り始めた!

うわこらやめやめやめろ〜〜〜〜

ミシミシという音があたりに響き渡る。
”は割れないように我慢している。

「そっち,ちゃんと引っ張れよ〜」
「お前もな〜」

さらに強く引っ張る二人。

「こ,こら。引っ張るな,引っ張るなうううぅぅぅ,割れる,割れる〜

ビキキッ!
なにやら渇いた音が…!
竹にヒビが入ったようだ。

「よし,ヒビが入ったぞ。もう少し,もう少し」
うぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!

”は充血しながらも渾身の力をふりしぼる。
”もそれに答えるかのように,さらに引っ張りまくる。
”は,ただただ割れないように我慢するだけだ。

ぎゃ〜〜(ToT)

さすがの“”も大ピンチ。
もう我慢の限界か!?
どうなる,“”。
がんばれ,“”。

バキン!!

あ,割れた…。

「わ,割れた!」
「はあ,はあ,はあ…よし!」

肩で息をしながらも,思わずガッツポーズをとる“”。

「いたたたたた」
「いててててて」

二人の“”が起き上がり“”と“”を睨み付けた。

「ちくしょう,なんてことしやがる」
「てめえら,逃げんじゃねえぞ。こんちくしょう」

いきまく“”達。

「ほらな。ケになったろ」
「ホントだ。でも,性格が悪くなってるな」
「おい,コラ。どういうことだよ,説明しろよ」
「どっちが,どっちなんだろ」
「オレは,左だよ。わりいかよ」
「いや,そこまで言ってないけどさ…」

あまりの迫力にちょっと焦る。

「オレは右。で,どういう了見だ?あ??」
「あ,いや,だから,それは…」

”は“”のマジな感じに圧倒されてしまった。
思わず“”に相談する。

“おい,木。どうすんだよ,やべえよ」
“誤魔化せ,誤魔化せ。”
“誤魔化せって言われてもなぁ…”

二人のやり取りは続くが,いっこうにラチがあかない。
そんな姿を見ている“”達は,イライラしっぱなしだ。

「おい,何,ごちゃごちゃ言ってんだよ。ったりぃなぁ!」
「っていうかさぁ,めんどくせえから,やっちまおうぜ。オレ,目な」

結構,気が短い“”。喧嘩っ早いともいう。

「え?ちょ,ちょっと待ってよ。あわわわわわわわわ」

焦りまくって“”の眼はドリームキャスト状態だ。
ヤバイと思った“”がすかさずフォローを入れる。

「あ,じ,実はさ,その,キミのさ,そのクルってなってるのを見たくてさ。
  竹は見せてくれないからさ,ちょっと強引だったけど…。ファンなんだ,オレ」

ナイスフォローだ,“”。
ファンと来ちゃ〜怒りもおさまるだろうて。

「………………………」

お,ちょっと優越感か?
だまりこむ,“”。
”はここぞとばかりに,さらにフォローを入れる。

「オレも,オレも。見たくて」

そんな“”と“”を見る“”達。
先ほどまでの勢いばかりの喧嘩口調が一転し,ただ黙るのみだ。
ところが,“”達はお互いを見ると,まるで何かを決めたかのように,
うなずきあった。

「………………………」
「………………………」
「……なぁ」
「……あぁ」
「おまえら,死刑決定」
「そう,決定。ぶち殺す」

爆弾発言。
まさに

「えええ,なんで,なんでぇ〜〜」

すでに涙目になっている“”。
”もおろおろしている。

「オレらさ,このだらしなく曲がってるのが,だいっっっ嫌いなんだよ」
「だからよ,二人で竹になってるのによぉ,てめぇらはよ〜,
  てめえの都合で好き勝手しやがってよ〜,ぜって〜ぶち殺す
「一画一画,引き抜いて,バラバラにしてやるよぉ〜〜〜」

じわじわと追いつめる“”。
顔がひきつり,脂汗が流れている“”と“”。

「まあまあ,そんなに怒らなくても……」

そこへ,誰かがやってきた。

「誰だ?! てめぇ…!」
「ぶち殺されてぇんかよぅ!!」
「私は“”ですよ。まあまあ,何があったか知りませんが,
  ここは私に免じて許してやってあげてくださいな。ねぇ」
だと!? コラ」

鼻息荒い“”。
大人な“”。

「いったい,何があったんです?」
「じじじ,実は〜……」
「てめぇ,シカトこいてんじゃねえよ」
「……なるほど」
「なるほど,じゃねえよ。なんなんだよ,てめえはよ」

今にも殴りかかってきそうな“”達をみながら,おおきくため息をつく“”。

「はぁ〜〜。君たちは元気があっていいねぇ。
  私なんか,ほら。“やまい”だからねぇ。ああ,体がだるい…。
  昔は“丙”だったんだよ。
  ヘイヘイヘイってな感じで,いろいろバカなことをやったものさ。
  ところが,いつだったか,“やまいだれ”が覆い被さってね。
  気が付いたら,“”さ……。いいねぇ,君たちは…私も元気になりたいよ」

”のやるせない何かを感じとった一同は,ただ黙るのみだった。
”も,“”が気の毒になってきて,いままでの怒りがどこかへ消え失せたのである。
なんだかんだ言っても実は結構いいやつなのかもしれない。

「でもね,“やまいだれ”さ,一人じゃなにもできないんだよ。
  それもかわいそうでね。まあ,私もそんな性格だからね。
  こんなことになっちゃってるのかもしれないね。
  まぁ,私より彼のほうがかわいそうだよ。ねぇ,“”くん」
「いてて…呼んだ?いてて……」

今度は“”。またもや新キャラ登場だ。

「彼は,もともと“甬”だったんだけどね。
  気が付いたら“やまいだれ”がいたんだって。
  毎日いたくて悩んでるんだ。大丈夫かい?」
「いてて…,最近はだいぶ慣れたよ。
  他のやつはいいよなぁ。“痒”とかさ。いたくないし。
  “疾”なんか,いたくもかゆくもないんだよ。
  ちくしょう。おれはなんで,いたいんだよ〜〜あいててて」

あまりのシビアな現実に何も言えなくなった“”と“”と二人の“”。
自分達はなんて小さな事でもめていたのだろうかと,思い知らされていた。
なにやら気が沈んで,どんよりしていた。
聞こえるのは,ため息ばかり。
空気が重い。
彼らはそこから立ち去ることも,何か言うことも,できなかった。
ただ,時間だけが過ぎていく…………。

「あら,なにやってるのかしら」
「なんか暗いわねぇ」
「ちょっと〜かかわるの,やめましょうよ〜」

”が3人現れた。

「暗いわね,」
「空気が重いわ」
「なんか恐いわ」
「あれ,やるわよ」
「あれね」
「私こわいわ…」

そういうと3人は構えはじめた。

「ジェットストリームアタック!」

その瞬間,あたり一面が真っ白な世界へと変わっていった。
まるで雪か灰でも降り注いだかのように,真っ白に,真っ白に。
”も“”も“”も“”も“”も,みんな白くなっていた。
何も考えることのできない,ただぼーっと立ち尽くすだけの世界。

「なによ〜笑いなさいよ〜!」

誰も笑うことができない。
ただただ白く,呆れ果てていただけだ。
しかし,さきほどまで重かった空気は軽くなった。
それだけでも救いだ。

漢字の世界とは,このように変なのだ。
一度,彼らの声に耳をかたむけてみるといいだろう。


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