インデックス
01.大いなる旅発ち
本編 スタッフ ML
02.マリーナの波紋
本編 スタッフ ML
03.火龍の炎
本編 スタッフ ML
04.戦士グレネーダーの魂
本編 スタッフ ML
05.トチロー・不滅のサムライ
本編 スタッフ ML
06.我が友ハーロック
本編 スタッフ ML
07.信ずるべき道
本編 スタッフ ML
08.マリーナ永遠の想い
本編 スタッフ ML
09.悲しみの星
本編 スタッフ ML
10.銀河の涯
本編 スタッフ ML
11.大テクノロジア
本編 スタッフ ML
12.終わりなき闘い
本編 スタッフ ML
13.誓い
本編 スタッフ ML
XX.マリーナ・ストーリー
本編 スタッフ
ゲームページへ

コスモウォーリアー零 第9話「悲しみの星」本編 (999MLバージョン)


■火龍艦橋にて
 __________________________________
 火龍では,デスシャドウの襲撃におかしな点があることに気がついていた。
 議長に問いただすも,

 議長「銀河総督府の意向は火龍によるハーロックの討伐。そして私が命じた
    のは多発するデスシャドウ号と見られる戦艦による輸送船襲撃事件の
    収拾」

 と言うばかりであった。
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 よく練られてるな,と思った議長のセリフ。同じことを言っているようで,
 暗に違う意味が込められている。議長は,ハーロックを倒せと言っている
 わけではないのですな。議長,あなたもなかなかのワルよのう。

 ところで議長との会話中,ゼロの口が大変な事態に!!
 ゼロのセリフ「いや,正確には距離時間無関係に」の“いや”と
 “正確には”の間のセリフのない部分で,何コマ分か,口の部分が
 ごっそり抜けてます。
 ウソ〜んと思った人は,コマ送りで見てみてください。
 普通に見てても違和感があるので,気がついた人も多いかと思いますが。




■デスシャドウ号!?
 __________________________________
 火龍に警告音。デスシャドウが出現。だがソナー照射しても,人間の反応は
 なく,奇妙な反応ばかり。しばらくすると,火龍周囲に多数の戦艦が出現。
 10や20ではない,数百にも及ぶ,無数のデスシャドウ号だった。

 ゼロ「議長!! これはあんたが望んだことか!! これを見ろ!!」
 議長「これは…」
 ゼロ「知っていたんだな。俺達がデスシャドウを撃ち落としたら,他の賞金
    稼ぎたちにだって知れ渡る。いいのか? 別のデスシャドウが目撃され
    ても。総督府が偽のデスシャドウを使って人間狩りをしていたことが
    全宇宙に知れ渡るぞ!!」
 議長「ただ,襲撃事件の収束,これは急務です。頼みましたよ,ゼロ」
 ゼロ「議長!!」

 総督府による人間狩り……火龍クルーにつきつけられる,つらい現実だった。
 自分たちはいったい何の為に……意気消沈するクルーたち。

 海原  「全くの無駄骨か…」
 ゼロ  「俺はそうは思わない。直接の指示は議長からだ。その中に彼女の,
      何か意思が託されていたとするなら…あるいは…」
 フェイズ「あの人が連邦を裏切っていたと?」
 雷   「信じられん! あんな連邦の象徴みたいな愛想のなか女ばい」
 マリーナ「だからこそ,なのかも……そっけなくシンプルな言葉だったから
      こそまぎれこめた,反逆の刃を…」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




■議長さん,いっぱいいっぱい
 __________________________________
 議長,夢を見ている。過去のつらい出来事が蘇る。
 議長は目を覚ました。目の前に自分の子供(機械化)が立っている。
 発砲。それは幻覚だった。

 秘書「失礼します。気付けのお酒です」
 議長「気を使わせてしまったな…あなたはよくつかえてくれた」
 秘書「秘書として当然のことです」
 議長「ずっと1人だと思っていた…」
 秘書「何をおっしゃいます。私は常に議長と共に。
    彼らはきっと強いお力となることでしょう」
 議長「ゼロ…!!」
 秘書「あ…失礼しました。言葉がすぎました」
 議長「そうかもしれない」
 秘書「は?」
 議長「この星の命運はあなたが握っているのよ」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




■敵,出現
 __________________________________
 石倉  「前方に1.7度の温度上昇確認。重力の偏りが見られます」
 フェイズ「時空曲解」
 マリーナ「虚数空間発生!!」
 石倉  「対象物,ワープアウト」
 マリーナ「すごいパワーで引き寄せられています」
 海原  「なんとかこらえておるが,このままでは船体も燃料も…!!」
 石倉  「でたらめだ!!
      超重力の中に安定した状態で物体が存在しているなんて!!
      まるでブラックホールを身にまとっているようだ」

 そのころ,火龍の前に出現した敵の要塞では…。

 ゼス    「このまま取りこんで機械化兵の部品にしてやる」
 ヘルマティア「待て。火龍にはもうひと働きしてもらう」
 ゼス    「いつまでも火龍でもなかろう。もはやテクノロジアこそが急。
        あれを捨て置くわけにはいかん」
 ヘルマティア「それでもハーロックはバカに出来ない。ゼロは,我々の持つ
        数少ない生身の人間の手駒。
        駒が人間であるが故,ハーロックの決断はわずかばかり鈍る。
        そのわずかな迷いにこそ,つけいるスキができる」
 クルー   「まもなく全機,収納完了します」
 ヘルマティア「よし。進路,大マゼラン星雲,テクノロジア」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




■積み荷の正体
 __________________________________
 無数にいたデスシャドウは消え,1隻が残っていた。その1隻は,近くの惑星
 オルバースで積荷を捨てていた。

 石倉  「なんだ? なにかを投棄しているような……モニターに送ります」
 石倉  「ヒトだ!!」
 マリーナ「死体!?」
 海原  「なんじゃ…とぉ!?」

 “お前…あの輸送船の積荷が何だったか知らないのか?”
 ハーロックの言葉を思い出していた。

 石倉  「ハーロックの名を借りて,デスシャドウになりすましてまで
      やっていたことがこれか!! ヒトを…ヒトをこんなっ!!
      艦長!! 攻撃命令を!!」
 ゼロ  「だめだ!! 航海長,前方の艦にギリギリまで詰め寄れ。
      通信長,投降を呼びかけろ。応答なき場合,3秒後に攻撃行動。
      撃沈後の機体調査をもって作戦完了とする」
 マリーナ「先方の艦,投棄作業を完了。帰還行動に移る模様です」
 フェイズ「応答ありません」
 海原  「主砲発射!!」

 敵艦を撃破,そのまま火龍はオルバースへ着陸した。
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 輸送船の中身がとうとう明らかになりました。
 予想通りっちゃー,予想通りな感じですが,
 とりあえず石倉くんがアツかったですねぇ。

 オルバースとは。
 昭和44年に別冊漫画アクションに掲載された読切作品のタイトル,
 かつ登場人物の船長の名前。この作品はサンコミックス「火星令嬢」収録。




■惑星オルバースにて
 __________________________________
 惑星オルバースに着陸した後,一向は調査を行うため,外に出た。その大地
 には,あたり一面捨てられたヒトで埋め尽くされていた。さらに進む一行。
 だがその時,黒っぽい生命体のようなものに囲まれてしまった。
 攻撃を仕掛けてくる黒い生命体。

 石倉     「な…なんだ!?」
 グレネーダー 「こいつら一体…」
 マリーナ   「機械化…人…?」
 アクセルーダー「待て,お前たちとは戦いたくない」
 グレネーダー 「どぉりゃぁぁぁ。何をしている!! 迷うな!! こいつら普通
         じゃない。気を抜いたら全滅するぞ!! みんな伏せろ!!」

 グレネーダーの一斉掃射 (ゲーム版でいうところのコスモガトリング砲)が炸裂。

 アクセルーダー「彼らからは一切感情のようなものは感じられませんでした。
         私達の仲間とも…思えません」
 石倉     「艦長,ここは危険です。戻りましょう」

 ゼロは丘の上に人影を発見,そこへ向かった。

 石倉     「艦長,どちらへ」
 マリーナ   「続きましょう」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 グレネーダーだけ,普通の格好をしている。寒くないんか(笑)
 まぁ,私も人のことは言えないが。

 マリーナ「う……」
 つわりじゃないよ。




■メーテル登場
 __________________________________
 先ほどの人影は女性だった。1人,墓石のようなところで何かを祈っている。
 ゼロはその女性へと近づき,話しかけた。

 ゼロ  「私は地球連邦独立艦隊司令ウォーリアス・ゼロ」
 メーテル「私は…メーテル」
 ゼロ  「女性が1人で来るには,ここはあまりにも…」
 メーテル「確かにそうですが…ここはあまりにも悲しい。
      けど,悲しいからこそ私はここに来ずにはおられませんでした。
      あなた方はなぜここに?」
 ゼロ  「我々は輸送船を襲う海賊ハーロックの討伐を命じられております。
      彼の艦をこの星にて撃沈。しかし…」
 メーテル「ハーロックがそういうことをする人間でないことは,
      宇宙を旅する者なら誰だって知っている。そうでしょう?」
 ゼロ  「え…ええ,確かに。撃沈した艦もハーロックのものでは…
      それに…あれは……」
 メーテル「人は…人はなぜ生きるのでしょう。
      なぜ死ぬのでしょう。
      人はなぜ永遠の求めるのでしょう。
      そして……その先になにがあるのでしょうか。
      あるのはただ悲しみと絶望だけ……そう,思いませんか?」
 ゼロ  「俺は,俺には難しいことはわからない。ただ…」
 メーテル「ただ?」
 ゼロ  「ただ…俺はあなたのようには思っていない。確かに,いま世の中
      には何もない。日々時を追うごとにさまざまなものが失われていく。
      繰り返し作らるのはミサイルや弾薬類ぐらい。毎日の時を埋める
      のは戦いだけだ。俺もこいつらも,そうやって生きてきた。
      けど,あるんじゃないか? この戦いの先に,俺達は希望という
      ものの存在を感じて,期待しているんじゃないか?
      俺の艦には人間も機械化人もいる。たまにはいざこざもあるが,
      それゆえに,それは人間的であると思う。永遠の命を持てる者。
      永遠に生きねばならぬ者。同じ事だ。
      争う必要など,本来きっとないのだ」
 メーテル「そうかもしれません。きっとそうなのでしょう。
      けれど,運命の糸はあまりにも複雑に絡み合いすぎて…
      あまり時間は残されていません。
      気が遠くなるような糸を1つ1つほぐしていかなければならない」
 ゼロ  「ほぐすさ。心の糸はきっとほぐせる。ただ……」
 メーテル「心無いものはほどけない…」
 ゼロ  「教えてくれ。彼らは一体なんなんだ?」
 メーテル「彼らは……人間です。彼らはこの星に眠る人々」
 マリーナ「そんな…それじゃ」
 メーテル「人間狩りの犠牲者です。彼らはここに眠る人々のなれの果て」
 ゼロ  「バカな!!」
 メーテル「苦しみも,喜びも,もう何も感じない。ただの操り人形…」
 マリーナ「ひどい…」
 雷   「誰ね,その黒幕は!! あんたなんか知っとんじゃろ!?
      じゃけん,ここで祈りば!!」
 石倉  「よせ…」
 雷   「ばってん!!」

 フォォォォォォォォ

 メーテルは立ち去ろうとする。だが立ち止まり,話を続けた。

 メーテル「地図にも載っていない,建造中の星があるそうです。
      機械と人間の調和を目指す,今はまだ小さな星。
      あなた方の話を聞いて,そんな星を思い出しました」
 ゼロ  「機械との,調和…」
 メーテル「あなたの言う希望とは,たとえば,その星のようなものなのかも
      しれません」
 ゼロ  「その星の名は…?」
 メーテル「テクノロジア」

 999号内にて。

 メーテル「ゼロ…次に会うとき,私の服は悲しみの黒に染まっているかも
      しれない。けれど,どんな旅になっても信じましょう。
      あなたを。希望を」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 メーテル登場しましたね。今回は服が青かったです。
 テレビアニメとして999号が登場するのも,ずいぶん久しぶりな気がしますね。




■すごいよ!! 議長さん
 __________________________________
 議長  「何をいつまでも怯えているのだ……もういい,私でなくていい。
      私には,地球にはゼロがいてくれる。せめて私は標となろう。
      彼と未来とを結びつける標に!!」

 議長は不正アクセスをし,何かデータをダウンロードしていた。その事実に
 気がついた機械化兵は,部屋へ突入する。
 議長は軽やかに機械化兵をかわし,部屋の外へ。そこには秘書がいた。
 秘書は議長のために部屋の入り口を自らの体でふさぐ。機械化兵は銃撃を
 食らわすが,それでも秘書は部屋をふさぎ,仁王立ちしていた。

 議長「すまぬ…」
 機械化兵「まずい…」

 機械化兵の1人が,隙間から発砲。弾は議長の頭へ命中。
 議長は倒れるが,なお,立ち上がり,走り出す。

 議長  「ゼロ! ゼロ!! 聞こえますか」
 フェイズ「超可及的緊急連絡。
      外部端末により通信が強制的に解放されました」
 議長  「ゼロ…ゼロ!!」
 ゼロ  「俺だ」
 議長  「ゼロ…」

 モニターに議長がうつる。だがその顔の傷跡に一同驚く。

 ゼロ  「議長!! あんた,その顔!!」
 議長  「時間がないわ。用件だけ伝えます。大マゼラン星雲の果てに,
      そこにテクノロジアはあります。
      あなたがたの見た巨大なものの正体…その名はヘルキャッスル!!」
 一同  「ヘルキャッスル!?」
 議長  「ゼロ,ヘルキャッスルから…
      ヘルマティアから地球を守ってください!!」
 ゼロ  「ヘルマティア……そいつが地球を!?」
 石倉  「なぜだ,機械化人のあんたが,なぜそんなことを願う」
 議長  「人間の心を残してしまうと…何かと苦労するのよ。
      あなたたちを騙しつづけてごめんなさい」
 ゼロ  「言うな。あなたは間違っていない」

 通信が切れる。

 ゼロ「議長!!」

 議長は通路を通ろうとするが,それを発見した機械化兵が銃撃。
 通路が破壊され,議長はそのまま落下。
 落ちる議長を的に,機械化兵の銃撃が続く。議長は無数の弾を受け,
 地面に叩き付けられてしまった。

 機械化兵「もはや生きてはいまい」
 機械化兵「各自銃口をそらすな。機能停止を確認次第,回収に移れ」

 議長  「あ……美しい……こんな(聞き取りできませんでした)……
      ゼロ……朝日が昇ります……」
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 議長さんってば,何気にすごいですな。顔に似合わずあんな動きを…。
 マリーナよりすごいんでないかい?(笑)

 第1話で議長さんが出てきた時は,どうなることかと思いましたが,
 こういう展開が待っていようとは,なかなかやりますね。
 これならゲーム版と違う上司でも,納得いきますし,むしろ議長の
 設定がうまく行かされてる。と思う。

 今回はいろんなことをうまく詰め込んでいて,テンポよく進んでたんで
 面白かった。デスシャドウやヘルキャッスルが登場したあたりも緊張感
 あってよかったです。

ということで,第10話へ続く。

…でも,予告のゼロの顔を見て,萎えました。
明日,録画したやつを見るのが怖い……。



インデックスへ