「キャプテンハーロック 第7話 約束の地に月は待つ」



チャプター01
松本零士のコメント
「りんたろう版ハーロックというべき作品だ」

チャプター02
オープニング

今回本編にマスさん初登場だから書くけど,オープニングのマスさんがかなりお気に入りだったりする。

チャプター03
火星上空

眼下には激しい戦いの跡,廃墟と化した町が広がってた。


(特記なし)


チャプター04
鉱山惑星

一方,鉱山惑星。
坑道の奥から,何か生き物の唸り声が聞こえてくる。 それに恐れをなして,逃げる作業員。 しかし,魔地機関長がよく面倒を見ていたタケマツが中で生き埋めになっていた。

魔地機関長は身支度を整え,ケガをした体をおして再び坑道へと向かう。 そんな機関長をマスさんは見送る。
「機関長,漢だねぇ」



魔地機関長とマスさんが登場。

最初に作品を見たとき,あの唸り声はてっきりヌーのそれかと思ってました。 出直す前に坑道入り口で機関長がなにかに襲われたような感じだったのでおかしいなとは思ったんですが, 次回予告見て勘違いとわかりました。 次回予告で大きな生き物が登場して戦ってたから,たぶんあれに襲われたんでしょう。

それにしてもこういう泥臭い場所,似合うなぁ。この二人。 キャラ的に四畳半系のキャラだから仕方ないけど。

チャプター05
イリタ回収

宇宙空間を漂うイリタ。 救助信号をキャッチした宇宙船がイリタを回収する。 宇宙船には母子が乗っていた。

イリタ「どうして助けた。オレがあんたらを殺すとは考えなかったのか」
母親「イチロウが見つけたのさ。もしアタシが無視して通りすぎてたら,一生その子の心にキズを残すだろ。」



トラックを改造したかのような宇宙船 (この場合貨物船? っていうか船でいいのか?)。 ニーベルングでは車そのものが宇宙を飛んじゃうわけですから,松本宇宙ではむしろアリ。 っていうか,こういうのがないと面白くない,くらい言っちゃいましょう。

それにしてもこの宇宙船,大気圏突入できるんでしょうか。 なんか突入したら,まずホイールがぶっ飛んで,タイヤが取れて,バンパーがもげて,ドアもボンネットもどんどんはずれていく…………昔のギャグアニメの車バラバラシーンを想像しちゃいます(笑)

荷物を運んできたけど,土星集積所に来てみたら,人間どうしが殺し合いしてたのだそうだ。 ところで土星の集積所ってどこにあるんだろう。 やっぱり衛星のどこか,かな。やっぱタイタンあたり?

土星の大地に建造されてます,とかだったらメーテル・レジェンドの-600度に勝てるかも…(それくらいじゃ勝てません)。

チャプター06
約束の地に月は待つ 1

地球があった場所へ到着するアルカディア号。 そこには地球の姿はなかった。 だが,月はまだそこにある。 地球の重力の影響をまだ受けていたのだ。 地球は姿こそ見えない…物理的にそこにはないが,おそらくはまだそこにあるのだ。

月面クレーター上に謎の模様が出現し,台羽のもつペンダントに反応。 ほぼ同時に謎の女性の声がした。 その声に従い,ハーロックたちがクレーターへ向かうと,月面にピラミッドが出現したのだった。


地球は亜空間へ飛ばされたけど,地球があった場所の重力場(重力によって歪められた時空のこと)は生きている。
故に月は,まだそこにある,のでしょう。
でも,なぜ地球の重力場がまだそこにあるのでしょうか。
亜空間における地球の存在が,こちらの空間に影響してるってことでしょうか。

よくあるワープなんかは,空間を介して入口と出口を作って物体がそこを通って行きますが, 今回の地球の場合は物体に対して直接砲撃した上で亜空間に飛ばされていることから, 地球そのものが亜空間とこちらの空間との入口であり,出口であると勝手に考えることができます。 おそらくその出入口が完全に閉じていないのではないでしょうか。

こちらの宇宙には熱力学第一法則が適用されるので,地球が完全に亜空間へ移動してしまうと,不都合が発生してしまいます。
そういったこともあって,完全に出入口が閉じていないのかもしれません。 地球はこちらの空間と亜空間同時に存在している,のではないか。 姿こそ見えないし,そこに物体の存在を確認することができないが,そこに存在していることになっている。 物質の存在率があちらの空間が100%だが,こちらの空間にはかわりに質量が存在してるのかもしれない。 ゆえに,そこに重力場が形成されていて,月がまだそこにある.と。 そして,あちらの空間では,質量がないことをいいことに,恐ろしいほどの速度で門へ向かって進んでいるのかもしれない。

なお以上のことは私が勝手に解釈・想像しただけなので,大いに間違ってる可能性がありまする。 だってさぁ,「じゃぁ,ヤマトとかのワープってどうなのよ?」って話になるわけですよ。

参考までに,重力はニュートン力学と一般相対性理論とでその考え方が異なっています。 ニュートン力学では,重力が周囲の物質に対して力を働きかけて引き寄せると説明されていますが, 一般相対性理論では,物体の周囲の空間が歪むことで,周囲の物体が引き寄せられていると説明されています。

ちなみに引力と重力の違いですが,引力が物質が引き寄せる力であり,重力はそれ以外の力(たとえば遠心力)の合力になります。 地球上では,引力はその力の向きが地球の中心へ向かっていますが,重力の場合は地球の自転による遠心力などの力が加わり,完全に地球の中心へ向かう力の方向にはなりません (実際は引力に対して遠心力がかなり小さいので,引力=重力として扱われることがほとんど)。

チャプター07
約束の地に月は待つ 2

月に出現したピラミッドには,かつて遺跡で出会った女王の妹がいた。

月の女王 「私達はねじれたひもの一族の末裔」
台羽   「なんだって? じゃあ,あの遺跡の人は…」
月の女王 「姉に会ったのですね。 私達は,ここで地球が生まれた時から見張ってきたのです。ヌーが地球を取り戻さぬよう。だけど防げなかった。まさか私達の遺産を使うなんて…」
ヤッタラン「ヌーが地球を取り戻すやて?」
月の女王 「そうです。地球はヌーの体の一部なのです。宇宙が始まった時,そこにはまだ秩序はなく,灼熱と痛みがうずまくだけの過酷な世界でした。 ヌーとはその世界の支配者。いえ,原初宇宙の状態そのものだったのです。 恐怖で宇宙を支配していたヌーは,自分たちの奴隷を作った。それが最初の秩序,ねじれたひもです。 やがて闇の支配に耐えかねたねじれたひもの一族が反乱を起こしたのです。空間の鎖と時間の矢によって」
ヤッタラン「空間の鎖と時間の矢やて?」
月の女王 「鎖に繋がれたヌーの精神は空間の彼方に封じ込められ,残った肉体は時間の矢によって砕かれ宇宙に散らばったのです。 こうして宇宙は時間の流れにしたがって動き出しました。 これは,宇宙が誕生してわずか10-43秒の出来事。」
ヤッタラン「プランク時間のことやな。宇宙がまだ素粒子より小さかった頃のことや。恐ろしいほどの高密度の世界で,物理法則さえ成り立たへん時代の話やな。 あ,そうか…!!」
月の女王 「その後何億年の歳月が流れ,無数の銀河と星が生まれました。でも,その中に砕け散ったヌーのかけらがあったのです。その1つが…」
台羽   「地球だっていうのか」
月の女王 「ヌーは封印される間際,自らの体に呪いをかけたのです。その星に生まれた生命が,再び自分たちの奴隷と化すように。」
台羽   「奴隷だって?」
月の女王 「奴隷の印,それはねじれたひも」
台羽   「ねじれたひも…それって,DNA!?」
月の女王 「生命の誕生という偶然がなぜ地球に起こったのか。それはあの星がヌーの肉体だったからです。」
ヤッタラン「生命現象がヌーの呪いやと?」
月の女王 「すべての生命はヌーの奴隷。でも同時に私達はねじれたひもの一族の末裔。封印を守る役目を担う者。 だけど,呪いに逆らえなかった者が一族を裏切った。そして,星は滅びた。私達だけがここに残った。」
ヤッタラン「月はあんたらの監視所やったんか。それにしてもヌーはなんで地球を消したんや?」
月の女王 「こちら側への道を開く…」
ヤッタラン「こちら側への道…」
月の女王 「精神だけが亜空間に封印されたヌーが,こちらの宇宙に復活するためにはたとえその一部でも自らの体が必要だったのです。 地球は今,そこにありながら,亜空間を恐ろしい速度で進んでいます。イエダールの門に向かって。」
台羽   「イエダール!? まさかオヤジの調査隊の向かった…」
ヤッタラン「砂時計星雲イエダール星域…暗黒物質に覆われているという未知の領域や」
月の女王 「そこがヌーの封印された場所。片側からは決して開けることができない。でも両側からは…」
ヤッタラン「そのイエダールの門に亜空間の裏側から地球をぶつけようっちゅうことか」
月の女王 「そうです。その瞬間,こちら側からもイエダールの門を破壊すれば,ヌーは再びこの宇宙に溢れ出してしまう。」
台羽   「じゃあ,あの四人の死人はなんなんだ!?」
月の女王 「直接,門に触れてしまったのでしょう。」
台羽   「門に!?」
月の女王 「その時四人の肉体分のヌーがこちらにあふれ出てしまったのです。封印の力が弱まっているせいで…」
ヤッタラン「連中が使たエネルギー波は何や?」
月の女王 「あの艦の時空砲は空間の鎖と時間の矢の原理を用いたもの。ねじれたひもの一族だけが伝えてきたものだったのです。」
ヤッタラン「封印のための秘術が,逆に封を解くのに使われてしもたわけやな」
月の女王 「地球がイエダールの門にぶつかるまで500時間。お願いです。その前に彼らの時空砲を奪って,もう一度封印を。宇宙を救うには,それしか方法がないのです。」
ハーロック「断る。ヌーが復活しようと俺には関係ない。オレは俺の意思のまま生きるだけだ。行くぞ。」
月の女王 「もうあなた方しかいないというのに…このままでは宇宙が恐怖に包まれるでしょう。なんて自分勝手な人…」
ヤッタラン「あのな,姉ちゃん。自分勝手に生きるんも,それなりの決意がいるもんなんやで。」
ヤッタラン「あ,そうや。来たついでにひとつだけ聞いてもええかな。今,地球のある亜空間,つまりヌーを閉じこめてんのはどんなとこなんや?」
月の女王 「それは,言葉であらわすなら地獄。すべての死人の念がうごめくおぞましい場所。」
ヤッタラン「なるほどな。おおきに。ほな。」



気になる点 副長の言葉
「あ,そうか……」
これはなんだろう。副長はそのとき何を理解したのだろう。
それがとても気になる。


現代物理学による物理法則が一切通用しない世界。
そこで空間の鎖と時間の矢をもってヌーを封じ込めた。
それによって,そこに空間と時間が発生した。
時間が正しく流れだし,破壊したヌーの体は飛び散り,ビッグバンとして宇宙が爆発・膨張していった……
ということを副長が理解したのかなぁ。


気になる点 私「達」
月の女神がしゃべったとき,
「私達はねじれたひもの一族の末裔」
と言ったのはいいんだけど,私「達」って誰?



チャプター08
台羽のペンダント

三人がアルカディア号へ戻る。 ヤッタランが台羽の持っていたマイクロチップに興味を抱いた。 それを預かり,なにか調べるようだった。


副長が面白いおもちゃ手に入れちゃった

これが真田さんだと,最終話とかその前あたりで 「こんなこともあろうかと」 となるんでしょうな。

でも,副長もチップを調べて,なにか作るんだろうな。 そして,テストしてないから1回撃ったらぶっ壊れるかもしれない,そんなやつを作って,緊張感出しますか?

チャプター09
目的地,鉱山惑星

ファタ・モルガーナ号。 アルカディア号を足止めするため,次はドクターハッサンが動き出す。 鉱山惑星ではヌーを信仰する邪教がはびこっていた。 そこにファタ・モルガーナ号が降り,ドクターハッサンが降り立った。

アルカディア号が突然,勝手に進路を変えた。 行き先は,NGC1647,散開星団鉱山惑星。 アルカディア号は魔地機関長とマスさんを迎えに行くつもりのようだ。


前回レニ博士から脳みそ飛び出たと思ったら,どうやらそれは間違いだったようで。 ……っていうか,これなんだろう。 ヌー?

次はドクターハッサンが動くようで,今後も1人が動いてはこてんぱんにやられ,の繰り返しかな。 それで全員やられたところで,大ボス登場。 そんな感じだろうか。 まぁ,彼らの場合,真の目的があって,それを阻止する可能性のあるものを排除するというオマケを行うだけにすぎないから,1人ずつ行動するんだろう。本来の目的のほうに人をさいて当然といえば当然。


チャプター10
彼女は笑っていた。ついさっきまで

坑道へと向かう魔地機関長。

アルカディア号が到着し,クルーは各々が自由行動する。

有紀「台羽くん,私とデートしようか」
台羽「えぇ!?」
有紀「たまには息抜きも,必要よ」

…………

台羽「なぁ,昔からああだったのか?」
有紀「何が?」
台羽「キャプテンのことさ」
有紀「だから,何?(笑)」
台羽「言ってることがわからないんだよ,時々。いったい何考えてるのか」
有紀「(笑)」
台羽「船長ってのはほら,きっとこう,物事を理路整然と筋道をたててっていうか,戦略っていうの? なんて言ったらいいのかなぁ……,あんまりにも場当たり過ぎるっていうかぁ…」
有紀「ごめん,理路整然と話してくれる? わかんないよ,台羽くん,君の話(笑)」
台羽「いいよ!! -_-)」

一見平和に見えた町。
しかし,ドクターハッサンの手により,すでに人々が支配されていた。 町の人々がアルカディア号クルーに襲いかかる。
ドクターハッサンを見つけた台羽は怒りのあまり,有紀螢の銃を奪って発砲するも返り討ちにあってしまう。 凶弾は台羽をかばった有紀螢の腹部を貫通。

台羽たち,そして,マスさんとハーロックもまた,町の人々に囲まれてしまった。

どうする,どうなる,以下次巻。


若い子つかまえてからかうちょっと年いっちゃったおねーちゃんと,からかわれてふてくされちゃう若い子っていう図。 面白いなぁ,この二人の掛け合い。 だからつい,セリフ書き出しちゃうんだけど。

チャプター11
エンディング


チャプター11
予告

<総評> 過去を通じて,謎だったイリタ本人のこと,そしてハーロックとの関係も明らかになり,さらにはレニ博士のアルカディア号への攻撃や,副長の名セリフと,地道に話が盛り上がってまいりました。


インデックスへ